他にもある危険

韓国映画「パラサイト 半地下家族」がアカデミー賞を獲得した。 この映画、受賞前から評論家から絶賛されていたことや、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を獲得したこともあって多くの人々に観られていた。 良く出来た映画だ。 韓国だけでなく多くの国が共感する貧富格差をテーマとしていることもあるが、映画に求められる娯楽性が随所に描かれている。 地下に秘密の空間があることは今までにもよく使われてきた設定だし、モールス信号によるコニュニケーションも他の映画で使われている象徴的シーンだ。 このような娯楽性を維持しつつ、社会派路線の映画に仕上げた、ポン・ジュノ監督の手腕はさすがだと感じる。 いまだに戦後のDDTのような消毒液を浴びたり、大雨になれば浸水するような半地下に暮らす貧困層が今日の韓国に多数いることを知ったことが意外である。 我が国でも貧富格差は問題となっているが、社会保障制度や公衆衛生施策の充実と健康保険の国民皆保険制度によって、少なくとも医療領域における格差は僅少であり、これが日本の長寿社会を支えていると言っても過言でわない。 世界を震撼させているコロナウイルスもテレビの情報番組では朝から晩までその話題に終始している。 多数の医療関係者が出て色々なコメントを出しているが、我々はその中から誰のコメントをファクトとして受け止めるのか国民のリテラシーが試されているように思われる。 少なくとも日本が中国と同じようになることは無いと、社会構造を見れば分かる。 しかし、今日も明後日もコロナは続き、国民はマスクやアルコール消毒液を求めて彷徨うのであろう。 しかし、コロナウイルスに感染したひとがいったい何人、街中を歩いているのだろうか? 目の前をよく見ると、その他の危険が目に映る。 スマホの”ながら歩き”、走り出したら止まらない電動ママチャリ、無灯火や危険運転の自転車、誰かのスマホにある”文春砲”予備軍の写真等々、コロナよりも危険なものが世の中には溢れている。

JO