暮らしの中にも芸術

一向に収まる気配のないコロナ禍。 先行き不安な暮らしを守るためには、うかうか遊んでいられない雰囲気だったが、そんな中、政府は経済を動かすのに躍起で゛Go to キャンペーン゛を実施して人と物の動きを活発にしている。 我が家も週末は自宅に引き籠もることが多く、贅沢をすることも少ない単調な暮らしが多くなった。 このような暮らしだと潤いがなくなって、だんだん心がすさんでくるものだ。 何のために生きているのかわからなくなるので、まるで小さなオリのに閉じ込められているみたいだ。 そんな年月を強いられた人々が、いかに心を豊かに持ちつつ生き延びたかを示す美術展が数年前に開かれていた。 太平洋戦争が勃発し、日米関係が悪化し日系人の強制収容が行われた。 そんな殺伐とした生活を3年以上続き、そんな中から多くの物を作り生きてきた。 その作品は生活用具から女性が身に付ける飾り物まであらゆる分野に渡っていた。 そんな作品群には日系人たちが少しでも自分の暮らしを心地よくし、家族や友人を慰め、明日への希望を持ち続けるために尽くした、涙ぐましい努力がうかがえた。 自由を奪われ制限された生活の中でも精神的自由の中から自分達の中に継承されている日本人の美しい文化から生み出された多くの作品が見られた。 芸術は制限された生活のなかにあって「永遠」と「無限」に触れることのできるツールなのだろう。

JO