続、民主主義

民主主義は手間のかかる政治形態である。 第一に政策が決定するまで面倒な手順と長い時間が必要である。 第二に議論して決めた政策が必ずしも正しいとは限らない。 逆に最悪の選択をしてしまうこともある。 18世紀後半、2つの市民革命によって民主主義が誕生したとき、新しい枠組みとして民主国家を定める憲法、同じ意見の有権者が集まる政党、多数の有権者の意見を一つにまとめる新聞などができた。 民主主義が最終目的とする人間の幸福、それを支える2つの理念である自由と平等もこのとき生まれた。 ナチス政権は史上最も民主的と言われたワイマール共和国で誕生した。 いい鳥か、悪い鳥か、卵のうちは親鳥でさえ見分けがつかない。 ただ一つ民主主義がほかの政治形態より優れているのは、政治の成功も失敗も「自分たち国民の責任」であるということだ。 なぜなら、その政府を選んだのは当の国民だから。 しかしながら、絶対君主制や一党独裁制などの他の政治形態よりマシと考える。 民主主義が誕生してから歳月が流れ、政治の大衆化は進んだ。 トランプ政権のアメリカのような大衆迎合政治(ポピュリズム)の出現を防ぐ手立てはないのか。 それは有権者がトランプのような扇動者に踊らされないという一言につきる。

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