芸術の秋

秋の呼び方は色々あれど、好きな呼び方はこれだ。 世界で最も名の知れた画家の一人であるゴッホ。 誰もが好きであろう絵は「ひまわり」。 この「ひまわり」は日本にも有るように連作として描かれている。 皆様がよく目にしているのは、ゴッホがアルザスで画いたものだが、ゴッホはパリ時代に始めて「ひまわり」の連作を画いた。 この「ひまわり」は花のみを画いたもので、4作品あり、ゴッホが色々な角度から実験を繰り返し、即興的かつ自由な表現を研究したものと思われる。 その後のアルルでのゴッホの絵の描き方の原点がここにあるように考えられている。 1作品目はスイスのベルン美術館にあり、正面を向いた2輪の「ひまわり」。 2作品目はオランダ・ゴッホ美術館に有り、連作のなかでは最も小さいサイズ(21×27cm)の2輪の「ひまわり」だが、1輪はひっくり返して奥に後退させて構図に変化をつけている。 1作目は細い線でこまかく画いているが、2作目のタッチは荒っぽい。 3作品目はニューヨーク・メトロポリタン美術館に有り、2作品目と同じ構図だが大きく画かれている。 又、描き方も細かく表現している。 つまり、1作品目と2作品目の描き方をあわせて仕上げられたということになる。 このように観るとゴッホがいろや構図に関して模索して最終的に4作目へと結実する。 4作品目の「ひまわり」は1作目と3作目を組合わせたような形で横長の大作が見るものを圧倒する迫力に満ちている。 この「ひまわり」はオランダ・クレラー・ミュラー美術館に有る。 広大な敷地の公園内奥にある静かな佇まいの美術館で観るゴッホ「ひまわり」には生と死を同時に考えているゴッホの感情が込められている様にも感じられた。 これらの4作品すべてを現地で観る事ができた幸運に感謝する。 そして小生は好きな薔薇を描く。

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