魅惑の実コーヒー

朝の起きがけ一番はトイレとコーヒー、これが自分の一日の始まり。 これを行なわないと何とも一日の気分がスッキリしない。 世界のコーヒー豆の約2/3を占めるアラビカ種はアビシニア(現在のエチオピア)原産といわれる。 6世紀ごろ、この地に住むヤギ飼いの少年カルディーがあることに気ずいた。 コーヒーの赤い実と緑の葉を食べたヤギの群れは、老いも若きも弾むように元気になる。 カルディーは不思議に思って自分で食べたところ、ものすごく元気が出た。 これを聞いた近くの修道院では、修道僧たちに茹でて飲ませて居眠りを防いだ。 眠らぬ修道院はあっという間に国中で話題となった。 これがコーヒーの起源と言われる伝説の一つだ。 日本に伝来したのは江戸時代。 オランダ人が長崎・出島に持ち込んだのが最初といわれる。 1858年の日米修好通商条約で正式に輸入が始まった。 1911年(明治44年)、銀座にできた喫茶店「カフェパウリスタ」は本格的なコーヒーを一杯5銭(現在の1,000円位)という破格の値段で提供し、人気を博した。 多くの著名人が通った。 菊地寛、佐藤春夫なども常連客で、「銀座のパウリスタでブラジルコーヒーを飲むこと」が「銀ブラ」の語源といわれる。 コーヒーには年度があり、国際コーヒー機関が定めるコーヒーの新年度は10月に始まる。 コーヒーの豊かな香りとともに産地や歴史に想いを馳せる。

JO