お通夜 タイ
チェンマイ タイの回で、川下りをする為にタットゥンへ向かう乗合タクシーの中で「おれの家に来い」と誘われた時の話を書いた。
その日の晩、近所でお葬式があり、その方が出席するというので私も一緒に付いていくことになった。タイは日本と同じ仏教の国である。日本で言うお通夜に当たる儀式の様であった。
私をどのように遺族に紹介したのかは知らないが、彼の後に続いてご焼香をあげさせていただいた。日本でも何度か葬式に列席したことがあったので、ぎくしゃく感はあったと思うが遺族に失礼のないよう務めることができたと思う。
その後別室で精進落としがふるまわれた。当初しんみりとした雰囲気であったがお酒が入るとともにだんだんと賑やかになってきた。このような場合黙っていては怪しまれてしまうので身振り手振りで話続けていた。私は最初お酒は断っていたが何度も勧められるうちについ1杯2杯とお酒を口にしていた。お酒の種類は覚えていない。
私は現地の人と知り合った時は、笑顔で大きなな声で話すよう心掛けていた。また振る舞いはクラブの先輩と接する時のように礼儀はしっかりとしなければならない。これを続けていると相手も徐々に受け入れてくれるのである。あの席でもそれを守っているうちに、あっちから呼ばれ、終わるとそっちから声を掛けられる様になっていた。
旅行中全くお酒は飲んでいなかったので、久しぶりのお酒に大分酔いが回ってきてしまっていた。私は勧められるままにクラブのコンパで歌っていた数え歌や何かを日本語で披露していた。最後まで意識をなくすような失態はしなかったが、今考えれば遺族の方には申し訳ない事をしたと思う。
一旅行者を受け入れた下さった皆さんに心から感謝している。タイ北部の田園風景やタイの皆さんの優しさに接したことが、タイを第二の故郷と思うようになった由縁である。田代