ほとりなし(はてがない)

仏語で「生死の苦界(しょうじのくかい)」というのがある。 人生は死ぬまで苦しみの波がやってくる海のようなものだ、というのだ。 どの方角からも波はやってくるという意味で人生は「ほとりなし」と説いている。 幸せには飛び上るほどの幸せの経験はあっても「こわいほど幸せ」という経験はないだろう。 山登りにたとえるとわかりやすい。 高い山の頂に立つと良い気分と同時に怖い気持ちが起きてくるものだ。 高い山から転げ落ちて谷底に叩き落されたらどうしよう、と考えると怖くなるのだ。 低い山ならそんなに不安にはならないのだろう。 でも低い山では「不満」で人はどうしても高い山をめざすが、高い山は「不安」が付いてくるものなのだ。 「不安」がいいか「不満」がいいか。 どんな生き方を選択しても、そこにはそこの苦しみがある事を仏語では「生死の苦界ほとりなし(はてがない)」といっているのだ。

人生、気楽に生きるのが一番ではないだろうか。

JO