アダルトロックな時代
自分のクルマ人生で、ドライブ中にどんな音楽を聴くか?というのはとても重要なことなのだ。 勿論、ドライブのBGMはエンジン音だけで十分であるという方もいるだろうが、私は極私的な空間であるクルマの車内は最高のリスニングルームだと思っている。 若い頃はクルマのオーディオといえばカセットテープだった。 レコードから一曲ずつダビングして自分の趣味にあったオリジナルテープを作ったものだ。 私と同世代の音楽好きなら同じような思い出があると思う。 1970年中頃から1980年代のおしゃれな音楽といえば洋楽でロック、フォーク、ソウル、ジャズ、ボサノバなど様々なジャンルの音楽を融合させた都会的なラブソングが多かった。 小難しい理屈などいわずにセンスだけを武器に恋愛や消費を楽しもうという気分が時代を包んでいた。 そんな時代に洋楽だけではなく、日本からも大滝栄詠一さんや山下達郎さんなどがシティポップを生み出していた。 あの時代を思い出しながら、秋の夕暮、ひと気もなく、寂れた海岸線を一人ドライブするイメージを思い描く。 今はもうカセットテープではないけれども。
JO