ラグビーワールドカップ

スポーツの世界も近年大きく変化した事を実感する。 以前は誰も想像すらしなかった日本人メジャーリーガーが野茂秀樹投手から大谷翔平選手まで続々と登場するようになった。 第2次世界大戦直後は「お家芸」と言われた水泳で世界新記録を連発。 しかし、1964年の東京オリンピックのころから低迷。 アメリカやオーストラリアの選手にかなわなくなったと思われていたところが、最近は男女共に世界のトップクラスに復活。 男子体操も同じように世界一流からどん底に落ちたあと復活。 陸上競技もマラソンだけでなく短距離でも100M10秒を切り、4X100Mリレーでは世界一の座も手が届くところまで至っている。 そんななかで最も大きく変わったと言えるのは、サッカーとラグビーの人気だろう。 かつて野球がオフシーズンになる冬のボールゲームとして日本で最も人気があったのは、ラグビーだった。 ラグビー大学選手権が秩父宮ラグビー場で行われ、早稲田、明治、慶応、同志社等の試合は超満員、早明戦は国立競技場に7万人観客を集めた。 社会人リーグも新日鉄釜石、神戸製鋼が7連覇を達成したころ松尾雄治、平尾誠二といったスター選手も出現。 国立競技場の日本選手権決勝はチケット入手が困難になるほどであった。 その頃の日本サッカーリーグは観客が千人も集まらないなか、国立競技場でラモス選手や岡田武史選手らが走り回っていた。 そんな日本サッカーが1993年のJリーグ開幕とともに大変身、地域に密着したチームがどんどん数を増やし、W杯への出場は皆熱狂し、人気でラグビーを完全に逆転し圧倒するようになった。 それに対してラグビーはルールが複雑、日本国籍ではない選手が日本代表にいたりと不思議がる人もいてなかなか人気が復活しなかった。 ところが前回のW杯で当時世界ランク3位の南アフリカに勝利。 俄然注目を集めるようになった。 別にサッカーを意識することではないが、ラグビー人気の復活に注目したい。 生前の平尾誠二さんは、こう言っていた。 「ラグビーのルールは簡単です。 ボールより前でプレイしてはいけない、それだけです。 あとはボールと陣地の奪い合い。 サッカーも面白いけど、ラグビーの面白さは別格ですよ。」と。 今回日本で開催されたW杯は実に面白く、日本が誇って良い大会であった。

JO