相互理解

G7の会議が終わった。 だが、今の世界状況が改善されるように感じないのはナゼだろう。 でも各国首脳が広島に集まったことの意義は大きいものがある。 この様な国際的な会議が行われる度に私にはすぐに頭に浮かぶ言葉がある。 それは「相互理解」。 同じ目線でこそ成り立つ相互理解だ。 ” 月を見ている人がいないとき、月はあるといえるのか ” この言葉は90年程昔にかのアインシュタインがインドの詩人で哲学者でもあるタゴールと交わしたとされる会話なのだ。 月は人間の意識とは無関係に存在するというアインシュタインの主張に対して、タゴールは月は人間の意識の中にあるのであって、あなたが見ていなくても誰かが見ていることで存在すると、反論している。 アインシュタインの西洋的な見方に対してタゴールの東洋的な見方が対照的である。 月が人間の意識を離れた客観的な存在であると考える主体は、人間そのものなのだから総括的に見れば、ひとつの実態についての異なった見方であって、互いに相手を包括しあう相互依存の関係にあるといえる。 とすれば、同じ目的にたっていることであり、そこから「理解する」という言葉がでてくるのだ。 この言葉から思い当たる英語は「understannd」である。 上に立つ(upperstannd?)ではなく、下に立つ(understand)ということは同じ目線で「寄り添う」ということなのだろう。 外に向かう意識と内に向かう意識の響き合いが心の中で感じることが大事なのだろう。 今日の世界の指導者達が話し合っても、相手が出てこなければ相互理解は出来そうもないのでは。

JO