身も心も揺れる春

今年の桜の季節は突然やってきて、あっという間に春爛漫の日が始まった気がする。 昨年、突如として登場した新型コロナという疫病の存在はとてつもなく大きくて、それによって変わってしまった事を挙げればきりがない。 そんな中で自分はいつにも増して季節のめぐりを早く感じるのは年のせいばかりではないように思う。 ここ半年くらいの事を振り返ってみるなら、秋を満喫する間もなく、厳寒の冬がやってきて、正月もあっというまにすぎてしまった。 今までは想像だにしなかった日常、たとえば、四六時中マスクをし、もう一年以上も続けているのだから、日々のバランスをなかなかうまくとれなくても、仕方のないことだろう。 その中で、いま一年の最も勢いのある春本番だ。 もともとはるは気候も変わりやすく、様々なものが芽吹き、木の芽だけではなく、古い年度と新年度の境目であり、人生の大きな変わり目を迎える人も多い時節でもある。 そういったことから春というのは身体も心も揺れる季節の性分のようなものがあるようだ。 コロナ禍のなかでオーバーワークにならないよう、この季節を眺めながら歩く時間を多くするなどの工夫して「見る」という行為の中に潜む力に気持ちをむけて、自分を大事にして、気楽を心掛けたいものだ。

JO