漢字の「羊」
現代に暮らす私にはネコとヒツジのどちらが身近にあるかといえば、間違いなくネコでしょう。 しかし、太古の人々にはヒツジの方が身近な動物だったようだ。 「広辞苑」の「ひつじ」の項目には「ウシ科の哺乳類、8,000年以上前からの家畜」とある。 古代中国の人々の身近にもヒツジがいたようだ。 漢字の「羊」は絵からうまれ、紀元前1,300年頃に使われていた甲骨文字にも見ることができる。 ヒツジが身近であったことを反映してか「羊」は部首として多くの漢字を生み出している。 代表的なのは「群」。 なぜ「羊」が付くかは「性質が臆病で常に群棲」と「広辞苑」に説明されているのだ。「肉は食用」とも説明されている。 これは重要で「羨望」の「羨」の文字はヒツジの肉を正しく切り分ける事、「美」は大きくておいしそうなヒツジと関係が深い漢字なのだ。 春、そろそろ日本の牧場でもヒツジの毛刈りが始まる頃になる。 北海道のジンギスカン鍋も思い出すとよだれが出そうだ。
JO