梅雨寒(つゆざむ)

関東、東北などで梅雨の季節に北東から冷たい風が吹くことがある。 凶作の原因になるので東北地方では「やませ」といって恐れられている風だ。 稲作をしていないところでも、このような風が吹くと季節はずれの寒さに苦しめられる。 これが梅雨寒で梅雨も季節の寒さのことだ。 俳句の季語としては「つゆさむ」と濁らずにいうことも多い。 「梅雨寒や方付けものも、方付かぬ」。 何をするのもおっくうになる。 「梅雨晴れ」は、今では梅雨の期間中の晴れたときのことをいうようだが、以前は梅雨が明けてすぐあとの夏の暑い天気を指していたのでが。 梅雨の晴れ間は「五月晴れ」だった。 旧暦では梅雨は五月だったのだ。 五月晴れが五月のすがすがしい天気を指すようになったので、梅雨の晴れ間は「梅雨晴れ」というようになったのでろう。 梅雨の長雨に集中豪雨が加わると恐ろしい事になる。 「さみだれや名もなき川のおそろしき」(蕪村)は、名もない小さな川の様子が変わって、今にも溢れそうになっている様子を詠んだのだろう。 今年の梅雨はどうなのだろうか? 今日は暑い、「梅雨晴れ」か?

JO