オリンピック種目であった競技

色々と議論があったが、ついにオリンピックは始まろうとしている。 まあ、お祭り好きな日本人の気持ちは分からないではないが。 ところで東京オリンピックから開催都市が新たな競技種目を選ぶことが認められた。 開催地での人気スポーツをオリンピックに反映させることでチケット収入やスポンサー収入等々による収入増につなげたい、というIOCの狙いだろう。 最近の肥大化したオリンピックは出場選手だけでも膨大な数にのぼり、リオ大会では206の国と地域から約11,000人もの選手が参加し、306種目もの競技が行われた。 東京では野球、ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンが追加された。 このように多彩な競技のなかで現在は行われていない競技がある。 綱引きだ。 綱引きと聞いて学校の運動会でのお遊び程度の競技がオリンピックに?と首を傾げる方もいるかもしれないが、綱引きはかつて1920年アントワープ大会まで正式種目であった。 1チーム8人で合計体重を揃えて行う。 特に難しいルールはなく、反則としては炭酸マグネシウム以外の滑り止めを使いこと、足の裏以外の身体の部分を地面に付ける事、そして最後尾(アンカー)以外の選手が手の平以外の部分を使うことが反則であった。 陸上競技などのリレーで最後の選手をアンカーと呼ぶのも綱引きの用語からの転用で、綱引きは他のスポーツにも影響を与えた基本スポーツで人気もあった。 「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加するこtである。」というクーベルタン男爵の有名な言葉は知っているだろう。 この言葉は第4回ロンドン大会での綱引き競技で、イギリスチームがスパイクの付いた靴を履いていることにアメリカチームが猛抗議し、その対立が他の競技にも影響してしまった。 そのことにたいして、アメリカ・ペンシルベニア州の大司教が演説で「オリンピックで重要なことは勝つことよりも参加することであり」、人生で重要なことは成功することではなく、努力することである。」という言葉にクーベルタン男爵が感銘して繰り返し用いたことから広まったのだ。 今でも、より単純で興奮できるスポーツは魅了のあるものだ。

JO